■印象や固定観念にとらわれず、リスクを恐れていてはダメ

ハラスメント恐怖症についても、「誰が悪いか」という議論が起きやすい職場では過敏になりがち。若者の相談相手として「母親」が増えている傾向もあり、職場内での信頼関係形成が薄まっていることで、上司側が「ハラスメントと訴えられるのではないか」と戦々恐々としてしまう気持ちも分かります。
とはいえ、ハラスメントの事実認定は受け手の主観に依存する部分が大きく、「相手の立場や考え方を理解しようとする姿勢が、ハラスメントの誤解を減らし、信頼関係の構築につながる」という意見もあるように、単にリスクを恐れるだけでは解決しません。
「若者恐怖症を整理すると、印象や固定観念で若者を判断することの危うさが浮かび上がります。個人や組織の状況、時代背景による違いを理解することが重要であり、あまり世代論に頼るべきではありません」(ビジネス誌編集者)
若者と向き合うには、固定観念にとらわれず、相手を観察し理解する柔軟な姿勢が求められそうです。
戸田蒼(とだ・あおい)
トレンド現象ウォッチャー。大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。