■新庄の花道はCSファイナル

新庄剛志監督
新庄監督の十八番である誰もがアッと驚くサプライズ演出はあるのか?

 続いて、パ・リーグに目を向けると、やはり一番の注目は、日本ハム・新庄剛志監督(53)の進退だろう。

 人事権を持つ井川伸久オーナーは「来年も指揮を執ってもらいたい」と続投を熱望するも、誰もがアッと驚くサプライズ演出こそ新庄監督の十八番。

 唐突に「辞める」と言い出しても不思議はない。

 前出の伊原氏は「野球界のためにも、やるべきだ」として、こう続ける。

「自分が目立ちたいのが先だとしても、彼ほど野球界のために行動している男も、そういない。個人的には、どんな形であれ、現場には携わってほしいと思います。

 ただ、本気で優勝を目指すなら、もっと勝負に徹するべき。絶対抑えなきゃいけない局面で、故障明けの古林睿煬(25)を中継ぎ起用して負けた9月18日のソフトバンク戦なんかは、“そりゃ打たれるよ”って感想しか出なかった」

 その新庄監督から、仮に「今季で辞める」発言が飛び出すとするなら、やはり舞台はCSファイナルステージか。3勝3敗で迎えた最終戦。勝てばチームの日本シリーズ進出が決まるなんて状況になれば、それこそ「舞台は整った」と言えるだろう。

「彼は、自分の発言が、どういう影響を与えるかまで常に計算ずく。自身の進退を賭けることでナインの闘争心に火がつくなら、躊躇なく決断すると思います」(在京スポーツ紙デスク)

 対するソフトバンクの小久保裕紀監督(53)は、工藤公康監督以来2人目となる、就任1年目から2年連続でのシーズン80勝をクリア。辞める理由はどこにもない。

 また就任1年目で、チーム再建の糸口を見出しつつあるオリックス・岸田護監督(44)、西武・西口文也監督(52)の続投には、どこからも異論は出ないだろう。

「最下位のロッテは当然として問題は楽天です。昨季の今江敏晃監督に続き、三木肇監督(48)も1年での退任が濃厚。これには身近な番記者だけでなく、球団内からも“本当に強くする気があるのか”と、怒りの声が噴出しています」(前同)

 楽天と言えば、三木谷浩史オーナー(60)による“現場介入”が一時、問題化。

 今はさすがに、そこまで表立っての“介入”はないようだが、別の問題が首をもたげていると、在京スポーツ紙デスクは言う。

「石井一久GM(52)は、三木谷オーナーの“遊び友達”。当然、酒席での醜態も互いに知っている。本来はGMこそが負うべき“成績低迷の責任”を、監督ばかりが負わされる背景には、そういう事情もあるんです」 

 しかも、昨季の監督を務めた今江氏は、年俸4000万円と相場の半値以下。「それでいて上のしわ寄せを被るんですから、なり手なんていませんよ」(前同)

 こうした楽天フロントの迷走には、監督経験者の前出・伊原氏も怒り心頭。「選手が気の毒」と、こう話す。

「監督が代われば、チーム方針も当然変わる。それに毎年、付き合わされる選手は、たまったもんじゃない。

 次期監督には現2軍監督の渡辺直人氏(44)が有力とも聞くが、三木監督のような功労者でさえ切ろうとするのだから、いつまで続くのか。本当に“もうちょっと考えろよ”と言いたいね」(前同)