■1~10の具体的な痛みのイメージ、「最大限の痛みの指標」は

「今の痛みの度合いではなく、“前回来た時に比べどれくらいの痛みか”というのが正しい聞き方です。前が10だとして今が5ぐらいになっていたら、『薬が効いて良くなっていますね』などと治療の指針に用いるんです」(筋野院長=以下同)

 初診でこの質問を用いる際は、「今までの経験で1番つらい痛みが10だとしたら、今どれくらいですか?」などと聞くという。例として、ここで盲腸が10だと答えれば、そこから逆算できることもあるそうだ。

 実態が分かったところで、続いては具体的なイメージに迫る。筋野院長は「痛みの感じ方は人によって違うので、細かく解説するのは難しいのですが……」としながらも、最大級の10を次のように例えてくれた。

「分かりやすく言うと、喉だったら物が飲み込めない、お腹だとうずくまって歩けないなど、その辺りが最大限の痛みの指標です。頭だとバットで殴られたような痛みですが、経験している人としていない人がいるので、患者の方も表現しづらいですよね。『どれくらいの痛みがいくつですか』と、逆に先生に質問してもいいと思います」

 では、逆に1はどの程度の痛みなのか。その他の数値と合わせて聞いてみた。

「腹痛や頭痛であれば、1は“気にしなければ動ける”ような状態です。仕事してれば気にならないけどふとした瞬間にお腹が張っているとか、静かな時に頭が変な感じとか、痛みというより“違和感”に近いです。

 喉だと『なんかイガイガする』くらいが1で、風邪で喉が痛いくらいが3~4になってくるかと。6くらいだと固形物飲むのがつらいとか、7~8だと水はなんとか飲める、10だともう水や唾も飲めないという感じですね」