横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。
ロボットや人工知能など、最新技術が次々と発表されていますが、今、世界の大富豪たちが夢中になっているものを、ご存じでしょうか? それは、“不老不死”の研究です。
Amazon創業者のジェフ・ベゾスさんは、アンチエイジング関連の企業に巨額の投資をしていますし、アメリカでは、「高齢者の認知機能や筋肉を10年若返らせたら1億ドル(約150億円)」という大会まで開催が予定されています。
そこには日本の企業も参加するそうで、まるでSF映画のようなお話ですよね。
もっとも、権力者が永遠の命を願うのは今に始まったことではありません。実は昔、不老不死の薬を求めて、はるばる日本にやって来た、“徐福”という人物がいるんです。
徐福は、秦の始皇帝の命を受けて日本へ来たとされています。始皇帝は、紀元前221年に中華統一を成し遂げた王様です。
天下を掌握した彼が次に求めたのは、永遠の命。その手がかりを探す役目を担ったのが、占星術や呪術、医薬に長けた徐福でした。