■日本を気に入り定住新技術を伝えた徐福
佐賀県佐賀市の徐福伝説も興味深いです。佐賀市にある金立山にたどり着いた徐福は、謎の仙人と出会い、仙薬の場所を尋ねます。
その仙人は目の前にある煮え立つ釜を指し示し、霧のように消えてしまうんですが、その釜の中に、“フロフキ”という薬草が入っていたというお話です。
フロフキは今も金立山に自生していて、煎じて飲めば腹痛や頭痛に効くそうです。徐福が、不老長寿の薬と信じても不思議ではありませんよね。
また、金立山の山頂にある『金立神社』では、徐福を祀る例大祭が50年に一度行われます。前回は1980年で、次の開催は2030年です。神輿を担いで、徐福が歩いた道を逆にたどるという神事もあるそう。ぜひ見てみたいものです。
徐福伝説が全国各地にあるという点については、さまざまな議論がなされています。徐福は一人の人物ではなく称号だったという見方もあり、複数の人物が徐福を名乗っていたとしたら、各地に伝承があるのも納得というわけです。
ちなみに、中国の書物には、「徐福が富士山麓に住んだ」との記録も残されています。そんな富士山にも興味深い伝説が残されていますので、いずれ紐解いていきましょう。

貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。