高石あかり(22)が主演を務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。明治初期が舞台の同作では、主人公の祖父役で出演しているベテラン俳優・小日向文世(71)が注目を集めている――。

【以下、『ばけばけ』ネタバレを含みます】

『ばけばけ』は、日本の民話を『怪談』という名の文学作品へ昇華し世界へ広めた明治時代の小説家・小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルにした物語。高石がヒロイン・松野トキを、トミー・バストウ(34)が、八雲がモデルのレフカダ・ヘブンを、小日向が、トキの祖父・勘右衛門を演じる。

 物語はトキのお見合いが描かれる第2週(10月6日~10日)の時点で明治19年(1886年)。世間では西洋化が進んでいるが、トキの父・司之介(岡部たかし/53)と勘右衛門は武士のプライドを捨てられず、いまだにちょんまげ。そのせいで、トキは「武士を引きずっている一家に婿入りはさせられない」と、先方から結婚を断られてしまう。これを受けて司之介は9日放送回でまげを落としたが、勘右衛門はちょんまげ姿のまま。

「小日向さん演じる勘右衛門は、時代の変化についていけない武士の悲哀を感じさせつつも、トキら家族との関係は良好。序盤では、商用のうさぎにちょんまげのかつらを被せて可愛がったり、後に“うさ右衛門”が汁物にされてしまい、“あぁっ、うさ右衛門……!”と嘆いたり。人間味あふれる良き祖父として、視聴者からも愛されています。

 そして、演じる小日向さんは多くの大河ドラマや時代劇へ出演していたこともあり、“武士”の勘右衛門を実にリアルに演じているという声もありますね」(女性誌編集者)

『ばけばけ』での小日向には、

《小日向さんがいる謎の安心感も好き》
《ばけばけ、じいちゃん役小日向文世の所作が1人だけ時代劇の所作で余計面白い ドラマ自体ほとんど現代劇の作りにしておいて、じいちゃんだけ見た目とか刀の振り方(※日課の素振り)だけじゃなくて立ったり座ったりちょっとお辞儀するにも全部完璧な時代劇の所作でやっててこれ本当に面白い雰囲気になってる》
《小日向文世氏の何が凄いって、着物を着たそのたたずまいです。本当に着物を着て生活をしているような、しっくり感を感じます》

 といった、細部にまでこだわっているであろう所作の素晴らしさを称賛する声が多く寄せられている。

「『ばけばけ』で活躍中の小日向さんですが、どの時期の地上波ドラマにも何かしらの役で出演しているような超多忙な状況で、映画の仕事も絶える様子がないですよね」(前同)

 今年小日向は『ばけばけ』以外のドラマでは、1月期の『ホットスポット』(日本テレビ系)、単発ドラマ『わが家は楽し』(TBS系/3月13日)、『人事の人見』(フジテレビ系)、2013年から続くシリーズ『緊急取調室』のシーズン5(テレビ朝日系/10月16日開始予定)の4作に出演。

 映画も『サンセット・サンライズ』(1月17日公開)、『盤上の向日葵』(10月31日公開予定)、『緊急取調室 THE FINAL』(12月26日公開予定)の3作に出演している。

「小日向さんはこれから先も、人気シリーズへの出演が2作控えているとも聞こえてきています」(前同)

 小日向は、堺雅人(51)主演の日曜劇場『VIVANT』(TBS系/23年7月期)の続編と、長澤まさみ(38)主演の『コンフィデンスマンJP』シリーズ(2018年~)最新作への出演が報じられている。

『VIVANT』は、最終回の世帯視聴率19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、個人視聴率12.9%、コア視聴率(13~49歳の個人視聴率)10.1%という超高視聴率を叩き出した大ヒットドラマ。

 続編制作が発表済みの『VIVANT2』(仮)を巡っては、26年7月期の放送がささやかれ、2クール連続放送説、さらにはドラマ放送後の映画公開の話なども報じられている。

「小日向さんは『VIVANT』では、意味深な描写がありながら第4話を最後に登場しなかった、主人公(堺)の上司・長野利彦専務を演じていました。続編では、彼の掘り下げが行なわれるとささやかれていますね」(同)

 そして『コンフィデンスマンJP』は、長澤演じるダー子、東出昌大(37)演じるボクちゃん、小日向演じるリチャードたち信用詐欺師(=コンフィデンスマン)が、悪人たちからカネをだましとる痛快コメディ作品。

 同作は2018年4月クールにフジテレビ系月9ドラマとして放送され、シリーズ化。第3弾『英雄編』(22年1月)に続く映画第4弾の撮影を26年春に行なうため、関係各所で調整が進められているとも報じられている。