■日韓共同制作ドラマは厳しい結果に終わることも多い
今年の7月期、TBS火曜ドラマ(夜10時~)では、韓国の映像制作会社「STUDIO DRAGON」とタッグを組んだ、清原果耶(23)主演の日韓共同制作ドラマ『初恋DOGs』を放送。人気韓国人俳優のナ・イヌ(30)も重要なポジションで登場した。
しかし、視聴率は最初から最後まで振るわず、最終回(9月2日)の視聴率は、世帯4.4%、個人2.5%。そして、テレビ界で重視されるコア視聴率(13〜49歳の個人視聴率)は1.1%という、プライム帯ドラマとして厳しい結果に終わった。
テレビ朝日でも今年4月期に、麻生久美子(47)主演、韓国のスタジオ・SLLから原案、監督、プロデューサーらが参加した日韓共同制作ドラマ『魔物』が放送されたが、これも大きな話題にはならなかった。
芸能プロ関係者は言う。
「成功に至らないのには複数の理由があるのでしょうが、1つ言われているのが、日本と韓国の撮影方針、方法の違い。撮影における細部のこだわりの相違から、現場で日韓のスタッフが意地の張り合いのような感じになってしまうこともあるといいます。また、1話の尺が長く、話数も多い韓国ドラマを、強引に日本の連ドラサイズに縮めて、ローカライズするのも無理がありますよね。
ですが、中村さんが主演する来年1月期の『DREAM STAGE』の場合は、ドラマ本編に関しては韓国の制作会社が入っているとは発表されていません。そして、ドラマの公式サイトの《日本実写コンテンツ》といった謳い文句を見ると、日本人スタッフによる“日本のドラマ”として撮られる可能性が高そうな感じで……それなら勝算は十分にあるのではないでしょうか。
TBSでは、過去にも本田翼さん(33)主演の連ドラ『君の花になる』(22年10月期)で似たようなプロジェクトを行ない、成功させた例もありますからね」
連続ドラマ『君の花になる』は、崖っぷちの7人組グループ・8LOOMの成長を描いた作品。8LOOMのメンバーは高橋文哉(24)ほか当時の若手イケメン俳優陣が演じた架空の登場人物だが、現実でも期間限定のボーイズグループとして実際にデビューし、配信限定で楽曲を発売。配信限定アルバムはオリコンランキング7位を記録した。
また、音楽ライブも2度開催。東京ガーデンシアターや大阪のZeppe Numbaを満員にするなど、大盛況だった。
「そして、近年はテレビ離れが進んでいることもあり、民放各局では“放送外収入で稼ぐ”という動きが活発化しています。ドラマ本編のCMの収入だけでなく、配信コンテンツやリアルイベントなどで収益化を狙う――ドラマ連動グループとして音楽活動を行なった8LOOMはその典型例ですよね。
26年1月期の連ドラ『DREAM STAGE』に登場するNAZEも、日本人、特に若年層にウケるようなドラマの中で活躍することで、JO1やINIなどに近いファン層を獲得していくことができるのではと。そうしてTBSとしては、彼らとともに放送外収入を得ていこう、というところもあるのではないでしょうか」(前同)
8LOOMは放送期間中、ドラマ本編だけでなく音楽番組『CDTV ライブ!ライブ!』など、TBSの番組でも活躍した。NAZEもそうなるのかも――。