10月13日に閉幕した大阪万博。来場者数は2900万人以上と大盛況であったが、その中でもひと際目を引いたのは「空飛ぶクルマ」だ。

 現地では “お披露目”としてデモ飛行が実施、新世代の乗り物への期待が高まった。万博閉幕後も実用化に向けた動きは加速している。

「8月にはANAとトヨタ出資の米Joby Aviation社、9月にはJALと住友商事が連携を発表。2027年度には有償で人を運ぶ“空飛ぶタクシー”の事業化を目指しているようです」(全国紙社会部記者)

 まだ、一般客が使用するにあたっての具体的な料金体系は明らかになっていないが、予想価格を提示している企業は存在する。

「タクシー会社が設立した『そらとぶタクシー株式会社』は、“初乗り 680円、以降10秒ごとに250円を加算”の価格設定を想定していると発表したほか、スカイドライブ社は“従来のタクシーと競合できる費用水準を目指す”としています」(前同)

 ざっと計算すると、「空飛ぶクルマ」では、羽田-成田の空港間の移動は30分で4万5000円くらい。現在、タクシーを使えば2時間で4万円ほど。時間と料金を考えれば、十分に競争力がある。

 予定通りなら、2~3年後には開始されるという「空飛ぶクルマ」のサービス。実際に乗れる日を思うと心躍るが、まずはどのような用途から導入されるのだろうか。自動車ジャーナリストである桃田健史氏はこのように予想する。

「最初は怪我人や重病人を運ぶ搬送用や、“空飛ぶパトカー”として使用されるのではないでしょうか。離島や山間部、被災地など“分断された場所”での緊急対応に重宝されるでしょう」