■【画像】ヘリコプターと「空飛ぶクルマ」、どこが違うの?
しかし、現時点でもヘリコプターがその役割を担う中で、空飛ぶクルマにはどのような機能が期待されるのだろうか。
「最大の違いは、エネルギーが燃料か電気かです。ヘリコプターはエンジンを搭載しており、プロペラも大きいことから、風切り音も大きいのが難点です。一方の通称『空飛ぶクルマ』と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)は電動で環境への影響も少ないのが特徴。
また、複数のプロペラが使用されていることからモーター音も静かであるほか、ヘリコプターが下りられない狭い場所でも離着陸できるという高い利便性があります」(桃田氏)
国土交通省と経済産業省は『空の移動革命に向けた官民協議会』を設置。2030年代末には全国的に普及させる想定だとしているが、まだその実用化に向けては課題もあるという。
「現時点の電池の性能では数十キロしか飛行できないとも言われており、ヘリコプターの性能には到底およびません。そこで、エンジンを発電機として積む『ハイブリッド』形式にすることも検討されているようです」(前同)
また、事業として採算性があるのか、というところも争点だ。
「万博でも商用運航は諦め、デモフライトに切り替えています。実際の運航には、いまだハードルは高いでしょう。墜落した際などのリスクを踏まえ、商用として法律上の許可を取るには時間を要するはず。
まずは、サンパウロなどの海外都市で富裕層が渋滞回避のために利用するところから始まると考えられます」(同)