日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。秋の行楽シーズンで、旅をもっと快適にする方法があるとしたら……?

 秋の深まりとともに、全国の紅葉が彩りを増し、観光シーズンが本格化しています。しかし同時に、行楽地へ向かう道路では長い車列ができ、駐車場探しに時間を取られるなど、「紅葉渋滞」に悩まされる人も多いのではないでしょうか。

 そんな中、混雑を避けながら快適に秋を楽しむ新たな旅のスタイルが登場しています。

 まずは、東武トップツアーズが発売、定員に達したため募集を締め切るほど注目を集めた「SPACIA X NIKKO CRUISERが紡ぐ 早朝紅葉鑑賞の旅」です。10月から運行を開始する新型ハイグレードバス「SPACIA X NIKKO CRUISER」を使ったツアーで、浅草から特急スペーシアⅩに乗り日光へ。翌朝6時にはホテルを出発し、明智平ロープウェイで朝もやに包まれた紅葉を眺めます。通常は9時からの運行ですが、このツアーでは特別に早朝からの運行を実現。静寂の中、朝日に染まる山々や華厳の滝を楽しむことができ、混雑を避けながら特別な時間を過ごせる内容となっています。

 渋滞の名所として知られる「いろは坂」も、早朝ならスムーズに通過。午前中に坂を往復して9時にはホテルへ戻るという行程は、限られた時間を有効に使える工夫が凝らされており、その後は自由行動で東照宮や中禅寺湖などをゆったりと巡ることができます。

 SNSでは「移動そのものが贅沢」「朝の光で紅葉を撮影したい」といった声が多く見られ、移動時間を“体験の一部”として楽しむ人が増えているようです。