■フェリーにバス、どんな移動法でも快適に!
旅の形を変えているのは陸路だけではありません。神戸と香川・高松を結ぶフェリーでは、船内で一夜を過ごす「ふね泊(ふねはく)」プランが人気を集めています。神戸港を夜に出発し、深夜に高松へ到着。そのまま船に泊まり、翌朝再び神戸に戻るという仕組みで、まるで“動くホテル”のような体験ができます。夜の海や港町の夜景を眺めながら過ごす時間は、非日常を感じられる贅沢なひとときです。
このプランは、大阪・関西万博を見据えたホテル不足の対策として生まれました。実際に導入後、予約件数は2.4倍に増え、観光客だけでなくビジネス利用も増えているそうです。料金は4990円からとリーズナブルで、展望風呂や船上レストランも完備。家族連れやカップルにも好評で、単なる宿泊代替を超えた“海上ステイ”として人気が広がっています。
さらに、長距離移動を快適にする新しい取り組みも始まります。高知県のバス会社「高知駅前観光」は、日本初のフルフラット座席を搭載した夜行高速バス「FLATON(フラットン)」の運行を12月から開始することを発表。このバスの座席は独立3列シートとしても、完全に水平なベッド型としても利用できる構造で、夜行バス特有の“座りっぱなしの疲れ”を解消する狙いがあります。
車内は充電ポートや収納ネットを備え、プライベート空間を重視した設計。高知を土曜夜に出発し、翌朝には東京駅に到着します。モニター運行の際には「しっかり眠れた」「翌日の疲れが全く違う」との声が多く寄せられていました。2026年には改良型の新ユニットも導入予定で、長距離移動の常識を変える存在になりそうです。