■銅回線が廃止されても黒電話は使用可能。ただし……

 1985年には日本電信電話株式会社が民営化され、NTTが誕生。政府が株式の一部を保有するものの、民間企業として運営されるようになりました。それでも全国一律提供義務は残り、離島や過疎地の住民の通話手段を確保するという点で、固定電話は重要な役割を果たしていたのです。

 しかし、携帯電話やスマホが広まると、固定電話の必要性はなくなり、2025年時点でスマホの普及率は90%を超え、若い世代ではほぼ全員が持っています。全国一律で銅回線を維持する必要性も低くなったことで、NTT法が改正されることとなりました。

 では、「黒電話」はどうなるのでしょうか。黒電話そのものは、銅回線が廃止されても使えなくなるわけではありません。光回線やIP電話に対応する変換機器を使えば、従来の電話機でも通話が可能です。しかし、銅回線に直接接続していた場合は、利用できなくなるので、移行が必要になります。つまり、形としての黒電話は残りますが、使い方や接続方法は変わるということです。