■携帯電話にくらべ、災害や詐欺電話に強いという利点が

2011年の東日本大震災では、携帯電話がつながりにくくなってしまった ※画像は「Yahoo! JAPAN 東日本大震災 写真保存プロジェクト」より

「固定電話には、災害時の安定した通信手段という利点もあります。東日本大震災や熊本地震では、携帯電話がつながりにくくなる一方、固定電話は通話可能でした。こうした点から、緊急時の連絡手段としての価値はまだ残っています。今回のNTT法改正は、銅回線の維持コスト削減と、現代の通信事情にあった効率的なサービス提供が目的。全国一律で提供されていたサービスを見直し、他の通信事業者がいない過疎地域だけにサービスを残す方向で、人口の少ない地域では固定電話の廃止が進む一方、最低限の通信手段は確保される見込みです」(全国紙社会部記者)

 ネット上でも「固定電話は詐欺電話しかかかってこないから、生活に必要なインフラってより詐欺師に必要なインフラになってしまった」「固定電話機、私は、通信のバックアップのために維持しています。理由は、停電が起きても使えるからです」「福祉関係の仕事してると、やっぱり固定電話必要だなって思う。固定だと退勤時刻後は応対しないし、他のベテラン職員にまわすこともできるので、できるだけ長く残ってくれるとありがたい」などとさまざまな声が聞かれます。

 若者にとって「昭和レトロ」の象徴だった黒電話。アンティーク価値を持ち、一部のファンやコレクターからの需要が高まるっていることから、今後は骨董品のように懐かしさを楽しむ存在として残っていくのかもしれません。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。