日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。11月16日のエリザベス女王杯ではエリカエクスプレスに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(2025年10月27日寄稿)
10月に入り、スポーツ界は、“ユニコーン”大谷翔平選手、“大エース”山本由伸投手、そして、“帰ってきたヒーロー”佐々木朗希投手の日本選手3人が、チームの快進撃を支えるロサンゼルス・ドジャース一色という感じですが、競馬だって負けてはいません。
京都金杯、中山金杯でスタートした2025年の競馬カレンダーも、残すところ2か月。さらに激しく面白く、そして心を揺さぶるような競馬にすることを、お約束します。
スタートは、11月1日の京都競馬から。この日は、9R、3歳以上2勝クラスの北野特別(芝2000メートル)に、復活を期すリアルスティール産駒のトッピボーンとの再コンビで、臨む予定です。
菊花賞には間に合いませんでしたが、良いものを持っているのは疑う余地がありません。ここを勝ち、来年は大きなところで勝負したい。陣営の思いに、全力騎乗で応えたいと思います。
1日の京都メインは、2歳オープンのGⅢファンタジーステークス(芝1400メートル)。僕がコンビを組むのは、本田優厩舎、ダイワメジャー産駒のメイショウハッケイです。
スタートが速くないので、どうしても後方からの競馬になりがちなのをどう克服するか。確実に伸びてくる終いの脚を最大限生かすにはどういう競馬が合っているのか。レースぎりぎりまで考え続けたいと思います。
11月2日は、コースを東京競馬に移し、秋の大一番、芝2000メートルの距離で最強馬の称号を争うGⅠ天皇賞(秋)です。
春は、イナリワン、スーパークリーク、メジロマックイーンで2度、スペシャルウィーク、ディープインパクト、キタサンブラック2回の計8度のV。
秋は、スーパークリーク、エアグルーヴ、スペシャルウィーク、メイショウサムソン、ウオッカ、キタサンブラック、ドウデュースで計7度、勝利しています。