猛暑が終わったかと思えば、冬のような冷え込み……。四季から二季へ移り行くともいわれる気候変動の影響は、各家庭の食卓を直撃している。

「昨今の燃料費の高騰も重なり、今後も野菜の価格は引き続き高止まりの予想です。農林水産省によると、ジャガイモやタマネギの11月の価格見通しは平年を上回る見込み。また、初夏の暑さで生育量が激減した国産ニンニクは、平年比で1.5倍〜2倍近くに達するとの声もあります」(全国紙社会部記者)

 家計を圧迫する食費。自分で食べる分だけの野菜は育ててみようと思っても、家庭菜園ができる場所も時間もない――。

 そんな人におすすめなのが「再生栽培」だ。スーパーなどで買った野菜の根本や芯、種を使って、もう一度野菜を収穫することができる。簡単なものだと、台所の窓辺で水だけで育てられるという。

 では、どんな野菜が再生栽培に向いているのか。家庭菜園や再生栽培の情報を発信するYouTuber・のりんご氏に、初心者でも育てやすい野菜とコツを聞いた。

「ネギや小松菜、にんじんの葉なら、窓越しに日差しが入る場所で、水のみで育てることができます。野菜の根元の切り口を、水の入ったお皿やペットボトルなどの空き容器に浸けるだけ。毎日水を交換し、野菜の切り口や容器を定期的に洗ってあげると、数週間もすれば葉や根が出て、収穫できるようになります」

 これらは1年を通して栽培ができる優れものだが、“スーパーで売られているくらいの量や質が欲しい”とこだわるなら一工夫が必要。

「水だけでは、野菜の持つエネルギーがなくなると枯れてしまうんです。

 そこで1週間に1回、水耕栽培用の『微粉ハイポネックス』という液体肥料を与えると、株が老化するまでは半永久的に育ち続けます」(前同)

 小松菜の場合は1株から30枚以上の葉が収穫可能。育つ途中の柔らかいニンジンの葉も、胡麻和えやてんぷらにすると格別だとのりんご氏は言う。

肥料を与えて育てた小松菜は、一度収穫した後もまた新しい葉を出す(画像:のりんご氏提供)