■プランターを使ってキャベツ・ピーマン・カボチャも収穫

 プランターを使った鉢植えなら、玉キャベツやニンニク、ピーマン、カボチャの栽培も可能だ。

 水耕栽培では数枚の葉に限られるキャベツも、プランターを使えば“玉キャベツ”として収穫することができる。

「野菜用培養土を入れた10号サイズの鉢にキャベツの芯を植えて、定期的に肥料を与えます。液体肥料なら1週間に1度、化成肥料なら2週間に1度が目安です。8月から9月に栽培を始め、寒くなってくる11月からは室内に持ち込めば、1~2月頃に結球が期待できますよ」(前出ののりんご氏)
さらに、価格高騰のニンニクは栽培を始めるにはいまがうってつけ。

「10~11月にニンニク1片をそのまま植えます。その後、12月、2月、3月に化成肥料『8-8-8』を与えれば、5~6月頃には6片程度に増えます」(前同)

 ピーマンは、種を植える前に発芽させるコツがある。

「購入したピーマンを常温で置いておいて、赤くなってふにゃふにゃになってから種を取り出しましょう。芽が出てきた1株の葉が5枚になる頃に、1株だけ残して他の株はすべて間引きするのがコツ。うまく育てば1株から50個~100個のピーマンの収穫が期待できます。寒さに弱いので、3~5月に栽培を始めると良いですね」(同)

 カボチャは、間引きにプラスして受粉のひと手間で収穫を。

「ピーマン同様、1株の葉が5枚になる頃に1株だけ残して他は間引きします。雄花と雌花が咲いたら、雄花を摘んで雌花に人工受粉しましょう。うまくいくと、夏に2、3個収穫できます。

 カボチャは、枝葉が大きく広がる植物なので、リング支柱につるを這わせての栽培が適しています」(同)

 再生栽培の魅力は、家計に優しいこともさることながら、大きく育っていく野菜の生命力を感じられるところにもある。

「スーパーで売られている野菜は品種改良されたものが多く、種からでは育ちにくい場合もあるので、こればかりは運次第。しかし、育っていく様子を見るうちに愛着も湧いてきて育てるのが楽しくなりますよ」(同)

 食費の軽減や身近な癒しに、台所から始められる“家庭菜園”に挑戦してみるのはいかがだろう。

のりんご
スーパーで買った野菜の種を取って栽培したり、野菜の芯をそのまま植える再生栽培の動画をYouTubeに投稿。チャンネル登録者は70万人以上。(http://www.youtube.com/@noringo
2014年頃に家庭菜園に興味を持ち始め、植物が育った成長を記録するために動画投稿を始めた。海外からの視聴者も多く、著書に『YouTubeでわかる! スーパーで買った野菜・果物で家庭菜園』(マイナビ出版)がある。