■激戦の三つ巴下位争い! 埼玉に不足している「力」とは
一方で毎年話題となる下位争いでは、昨年46位の埼玉県が初めて最下位に。茨城県が46位、佐賀県が45位で、ワースト争いはこの3県で固定化している傾向があります。
埼玉が最下位となったのは、20代・30代の若年層が「埼玉をとても魅力的に思う」と回答する割合が減少したことが指摘されています。県内の観光資源は川越や秩父、長瀞など豊富にありますが、大宮に住む人が秩父へ足を運ばないといった県内旅行の少なさが実態としてあるようです。
埼玉県民の反応としては「甘めに見積もっても20位くらいかと思った」「まだ伸びしろはある」といった不満の声も聞かれる一方で、「ディスられてこその埼玉県」「なんだ最下位か〜と笑って受け入れる懐の深さ。これぞ埼玉魂」「(映画の)『翔んで埼玉』の続編があれば、ネタにできる!」「来年も最下位、守ろうぜ」など、自虐ネタとして楽しみたいという意見も目立ちます。
「神奈川は横浜や鎌倉、箱根など観光地の幅広さやアクセスの良さが評価された可能性があります。一方、埼玉には川越の蔵造りの街並みや時の鐘、さつまいもスイーツ、長瀞のライン下り、東松山市のこども動物自然公園で『世界一幸せな動物』クオッカに出会える、などの観光資源があり、いちごの品種「あまりん」が全国いちご選手権で3連覇するなどフルーツ王国としても注目されつつあります。
しかし、都心近くという立地から“わざわざ訪れる”という印象が薄く、国内外への情報発信が十分とは言えないかもしれません。今後は、地元の特産品や隠れた観光スポットを積極的にPRすることで、神奈川のような高評価につなげる余地があるのではないでしょうか」(旅行サイト編集者)
来年はどの県が順位を上げるのか、各地の魅力を再発見するきっかけにもなりそうです。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。