■すき焼きが手軽に食べられる吉野家の冷食

 大阪王将の『羽根つき餃子』同様、ひと手間をかけておいしくなるのが、『石焼風ビビンバ炒飯』(マルハニチロ・354円)。

「おこげの香ばしさと牛カルビのうま味みがしっかり感じられる、本格派の石焼ビビンパです。電子レンジでも調理できますが、より香ばしさを引き出すなら、フライパン調理をぜひ。炒めすぎると水分が飛んで米や具が固くなるので、加熱時間を守るのがおいしく仕上げるコツですよ」(前出の冷凍食品コンサルタントの西川氏)

 ニチレイの『特から』(486円)は、レンジでチンするだけで揚げたてのような唐揚げができるという、革命的な人気商品だ。

「三度揚げで鶏肉のうま味を閉じ込めているので、ジュワッとジューシー。しょうゆが、しっかり利いた和風の味つけなので、卵でとじて親子丼風にして食べてもいいですね。ごはんにかけても良し、おつまみにしても良しです」(前同)

 冬のご馳走といえば、すき焼き。そのぜいたくメシを手軽かつ安く食べたいときは、『牛丼の具 2食』(吉野家・755円)の出番だ。

「ごはんにかけて食べる商品ですが、溶き卵をつけて、そのまま食べれば立派なすき焼きに。実店舗で牛すき鍋をつまみに飲むこともできますが、店では落ち着きません。その点、冷凍食品なら自宅でしっぽりと“吉野家飲み”が楽しめます」(前出の田沢氏)

 そして、冬のイチ押しが、セブンイレブンの『鶏白湯のとり雑炊』(321円)。

「鶏のだしとショウガの香りが効いた、ホッとする味で、寒い日の朝食に最高。また、刻んだタクアンやアサリの佃煮を加え、めんつゆをひと垂らしして、“おじや風”にしても絶品です」(前同)

 一方、西川氏のイチ押しは、『お水がいらない 鍋焼うどん』(キンレイ・368円)。

「キンレイはラーメンやうどんなど麺類の商品に強く、特に、スープのおいしさに定評があります。中でも、この商品は削りたてのカツオ節を使った“黄金だし”がウリ。エビやシイタケ、かまぼこなどの具も豪華で、手軽に本格的な鍋焼きうどんが楽しめます」(西川氏)

 だし・麺・具が一つになっていて、鍋に入れて温めるだけ、と調理も簡単なのも魅力の一つ。

「忙しい日や、風邪で体を休めたいときなど、さまざまな場面で活躍してくれること間違いなし」(前同)

 技術の進歩が止まらない冷凍食品。この冬、あなたも、食べてみては?

西川 剛史(にしかわ たかし)
冷凍生活アドバイザー/冷凍食品コンサルタント。高校生の頃から冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社に就職。商品開発などの経験を生かし、現在は冷凍専門家として活動中。『冷凍王子』としてテレビ番組や雑誌などに多数登場。

田沢竜次(たざわ・りゅうじ)
元祖B級グルメライターとして活躍。映画評、書評、60~70年代B級カルチャーなどにも精通する。著書に『B級グルメ大当りガイド』『ニッポン映画戦後50年』など。