■吉沢亮ならどんな勝男に?

 竹内は、演技力だけでなく、身体性も勝男にハマっている。背の高い清潔感あるイケメンだからこそ、勝男という真っ直ぐなキャラの説得力がある。空港に肌着で駆けつけるというダサいけど憎めない感じも、職場で製品の便器をプレゼン中に、便器に顔を挟まれるというコミカルさも、竹内だからこそ増幅される。

 これが、当初キャステイングされていたといわれる吉沢亮(31)だったらどうだったろうか。吉沢もコミカルなキャラを演じてきてはいるが、どこかで陰のようなもの、複雑な心情を感じてしまう。勝男を演じていたとしても、ここまでの人気キャラにはならなかったかもしれない。もちろん、吉沢だったら竹内とは違うアプローチになったとは思うが……。

 メインもサブもキャストが完璧で、メッセージ性がありつつケラケラと笑って見られ、その上で泣ける、昨今のドラマの集大成のような本作に死角はない。次回は、鮎美(夏帆)は婚活パーティ、勝男は椿(中条あやみ/28)に誘われたホームパーティでひと悶着がありそうだが、視聴率、配信ともに、どこまで数字を伸ばすか楽しみだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。