■『ゴッドタン』を2日で80回分見て学んだこと

真っ直ぐに答える金久保さん  撮影:小島愛子

金久保 やっぱり気合いを入れていこうと思ったので。見れば見るほど、ご出演者のみなさんの立ち居振る舞いが勉強になりました。

――80回分見て、どんなことが学べましたか?

金久保 みなさんアスリート感がすごかったですね。「自分はこういうことができます」という強みを持っていって、それをMCのみなさんやスタッフさんが上手く調理していただくんだなあと。だから、何も持っていかないと空気として終わってしまうだろうし、何かを持っていけば失敗しても形にはなるだろうと思いました。

 あとは、MCのみなさんがすごく優しいことがわかりました。持っていったものを肯定的に広げていらっしゃったので、“とにかくスベっても失敗してもいいから何でもやろう!”と思いました。

――物凄い気合いが感じられます! 80回分のなかで、印象的な回はありましたか?

金久保 『第3回松丸プロデュース王決定戦』です。テレビ東京アナウンサーの松丸友紀さんはバラエティですごい才能を発揮して活躍していらっしゃいますが、もともとは報道を志してテレビ東京に入ったとこの回で話していて、感動したんです。私も、もともとはお芝居がしたくて芸能界に入りましたが、やっぱり手段はひとつじゃないんだと、人間の可能性は無限なんだなと思ったんです。

――たしかに、金久保さんのツイッターを遡ると、高校卒業時期のつぶやきにたどり着きますが、「役者を目指している」と書かれていますね。

金久保 そうなんです。芸能活動を始めたのは15歳のときで、アップフロントグループの事務所に所属していました。モーニング娘。9期生のオーディションを受けて落ちて、そこに拾ってもらったんです。アイドルの事務所なので、ボイトレやダンスレッスンをやっていくなかで、ふつふつと「私はアイドルではなくてお芝居がしたいんだ」と気づき、高校生から3年間ほどフリーで活動していました。

――高校生でフリーランスってすごい度胸と根性ですよね。

金久保 ずっと根性だけでやってきました(笑)。それこそ、ギャラ交渉も全部自分でやっていました。

――たくましい。どんな苦労がありましたか?

金久保 高校生で人脈ゼロの状態でフリーだと、まずオーディションの情報が入ってこないんです。舞台には出演できても、知名度がないからチケットも売れないし。ただ、最初は15人だったお客さんが200人、300人になってゆき、ブロマイドなどの物販を出せるようになったときには「私のグッズが売られている……!」とすごくうれしかったのを覚えています。