■問われる2軍の育成ビジョン

 そうなると、巨人の未来は、2軍の若手たちの成長次第ということになる。

 2軍バッテリーコーチ時代に、大城卓三(32)や岸田行倫(29)を育てた秦氏は、

「一番の問題は、明確な育成ビジョンが見えないこと」と、こう続ける。

「2軍はあくまでも育成の場。いくら独走優勝をしようが、上で使える若手が出てこなければ意味がない。

 イースタンの個人成績上位に、巨人の選手が一人も入っていない。そのことこそを、もっと問題視すべきだと僕は思いますけどね」

 なお、今季のイースタンで規定打席・投球回をクリアしたのは、ドミニカ共和国から来た育成枠の助っ人、ティマ(21)ただ一人。

 投手陣は、シーズン後半から1軍ローテ入りした又木鉄平(26)の91・1回が最高で、年間を通じてフル回転という選手は数少ない。

「例えば投手なら“年間120イニングを投げる投手を最低でも2人は作る”といった明確な目標値をチームとして設定すべき。ベテランの田中マー君で勝ちを重ねても、将来的にはなんの足しにもなりませんしね」(秦氏)

 当の阿部監督も、日本シリーズ真っ最中からスタートした秋季練習では、その冒頭で「来年は、こんなときに集合している場合ではない」と決意も新たにした。

「来季4年目の浅野翔吾(20)に、臨時コーチ・李承燁氏の熱血指導を受けさせるなど、反復練習を軸とした猛練習を課してます。桑田さんへの当てつけのような“質より量”との発言通り、午前9時から午後5時までの長時間練習でした」(元スポーツ紙デスク)

 これには伊原氏も、「2軍監督時代に“昭和のスポ根”だ、なんだと批判もされたが、本当に選手を伸ばそうと思ったら、質のいい練習を、ひたすら量こなさせる以外にないんだよ。

 データをうんぬんするよりもまず、クタクタになるまで己の体をいじめ抜く。突きつめれば、結局は、そこだと思うけどね」

 暗黒期への転落か、黄金期への序章になるか。勝負の3年目に要注目だ。