■映画『大奥』大コケの苦い歴史

 過去3度映像化された『大奥』だが、人気が継続していたわけではない。

「以前の映像化では、TBSの制作で3代将軍家光・5代将軍綱吉・8代将軍吉宗といった歴史上でも有名で、物語のキーマンとなる人物のエピソードが映像化されてきました。

 第1弾の8代将軍吉宗編は、2010年に公開された映画『大奥』で描かれ、主演の水野役を二宮和也さん(40)、吉宗役を柴咲コウさん(41)が演じていました。この映画は興行収入23億円を超える大ヒットを記録しています。

 続く第2弾は、3代将軍家光編を2012年10月〜12月に連続ドラマとして放送され、主演の有功(ありこと)役を堺雅人さん(49)、家光役を多部未華子さん(33)が演じ、こちらも最高視聴率11.6%とまずまずでした。

 しかし、第3弾となる映画の5代将軍綱吉編は、興行収入6億9000万円と、いわゆる大コケの結果で終わってしまったんですよね……」(前同)

 この映像化3作目の『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』(2012年)は、大奥のトップである右衛門佐(えもんのすけ)役に再び堺、そしてヒロインである将軍・綱吉役は菅野美穂(45)が演じた。

「実はこの作品での共演がきっかけで、堺さんと菅野さんは結婚をしたんですが、その肝心な作品は惨敗しているんですよね……。この“大コケ”以降、まる10年映像化されなかったので、影響は大きかったはずです。

 今回のNHKドラマでは、その綱吉編もしっかり描くようですが、前回、“大事故”となってしまった綱吉役は、NHKとしても慎重に人選をしたと思います」(前同)

 この綱吉役に起用されたのは、仲里依紗(33)。相手役である右衛門佐(えもんのすけ)役は、山本耕史(46)が演じることになる。

※『大奥』公式ツイッター「@nhk_oooku」より

「仲さんは、これまで数々の作品に出演してきた人気女優ですが、2020年から始めたYouTubeでは、女優らしからぬすっぴん姿や家事に励む様子、1児の母として視聴者からの質問に答える姿など、ありのままの素を晒していくぶっ飛んだスタイルが大好評で、現在ではチャンネル登録者数170万人を超えるカリスマ的人気となっています。

 また、奇抜なファッションも支持されており、現在では自身のアパレルブランド『RE.(アールイードット)』を立ち上げるなど、マルチに活動しており、同世代からの好感度も抜群。そんな仲さんにとって今回が初の時代劇ということもあり、その話題性もあって、バツグンのキャスティングといっていいでしょう。

 さらに、相手役の山本さんも、昨年2022年の大河ドラマ鎌倉殿の13人』では主人公・北条義時の盟友でもある三浦義村を演じ、安定した演技力と、必然性もなくみせつける筋肉美で人気に。時代劇との相性も抜群ですよね」(前同)

 冨永愛と仲里依紗という意外性もあるキャスティングだが、NHKの気合の入りかたも十分だという。

「初回は、実際に冨永さんが乗馬をして疾走するシーンなどがありましたが、富永が乗った馬は、これまで大河ドラマなどで数多く起用されてきた有名馬“バンカー君”という撮影馬でした。

 1月8日に放送が開始しされた今年2023年の大河ドラマの『どうする家康』では、織田信長役の岡田准一さん(42)の乗馬シーンは、まさかのCG処理。

『大奥』を本物の馬で撮影し、大河はCGといったところでも、今回の大奥に対するNHKの気合の入れようが分かりますね」(前同)

 肝心のドラマは、これからどのような演出で放送されていくのか? 今後の展開と富永と仲の『大奥』リベンジに期待が高まるーー。