■『ハムレット』を巡る縁も沸騰

 小栗は2020年放送の『人生最高レストラン』(TBS系)に出演した際に、蜷川さんとの出会いを語った。当時小栗は“蜷川組”である藤原竜也(43)とドラマで共演したことで親しくなり、藤原主演、蜷川さん演出の舞台を観劇した際に蜷川さんと出会った。当時18歳だった小栗が藤原の楽屋を訪れた時に蜷川さんと遭遇し、「お前面白いな。近いうちになんかやろう!」と興味を抱かれ、それが舞台『ハムレット』の出演へ繋がったという。

 同番組では、蜷川さんがいつも「楽なところへ行きすぎるな」と諭していたことを回顧。「好きな仕事ばかりやっていると俳優として面白くならないようなことだったと思う」と補足していた。

 そして、小栗は「これは発表されてないこと」と前置きしたうえで、蜷川さんが亡くなる年(2016年)の10月、自身にとって2度目となる、蜷川版『ハムレット』に出演する予定だったと告白。電話で「小栗、俺さ、とうとう本当に最後の最後、お前のために1番いい演出思いついたよ、楽しみにしててな」と言われていたことも明かし、「ちょっとこれができなかったことだけが、やっぱり自分の中でずっと少しあの……残っていることですね」と語っていた。

 小栗にとって『ハムレット』は、蜷川さんとの初舞台であり、同時に再演が叶わなかった、心残りのある舞台でもあるわけだが、奇しくも次回(12月10日)の『もしがく』では、久部(菅田)が「最高の『ハムレット』を観せてやる!」とライバル劇団に吠える姿が予告されている。この巡り合わせに、

《小栗旬が蜷川幸雄演じてラストは約束したハムレット、、、》
《蜷川幸雄役をやるに当たって、蜷川さんを思い出しながら若い頃を想像しながら演技プラン考えてる旬くんを想像して胸熱ハムレットなのが、また何という巡り合わせ》
《ラスト、ハムレットなのそりゃ、それやらんと終われないけど。 ハムレットは、 小栗旬が生前の蜷川さんと約束していた演目》

 といった、深い想いを持っている視聴者も少なくないようだ。

「次週、12月3日は音楽特番『FNS歌謡祭 第1夜』が放送されるため、『もしがく』は1週間休み。『もしがく』は視聴率の低さが指摘され、いまいち盛り上がりに欠けていますが、小栗さんの出演はかなり話題になっています。彼が活躍するであろう次回は、多くの視聴者が注目するのではないでしょうか」(前出の女性誌編集者)

 小栗は今回の出演に《蜷川さんと過ごした日々を思い返しながら、私が出会った蜷川さんよりも若い頃の蜷川幸雄を想像し、自分の中にある蜷川さんの面影を追いかけるように演じさせていただきました》とコメントしている。第9話は顔出し程度の登場だったが、第10話ではどのような“演出家・蜷川幸雄”を見せてくれるのか――。