■熊もインバウンドも影響ない温泉の聖地は、ここだ!

 一方、今年、熊の出没件数が減っている地方がある。

「山陰地方です。鳥取県のツキノワグマの出没件数は去年の10月は77件でしたが、今年は11件。島根県も同じく、9月の出没件数は去年の3割程度なんです」(前出の社会部記者)

 そして、温泉好きの間では聖地とされながらも、インバウンド客には知られていないのが山陰地方なのだ。

「大都市圏からの交通がやや不便なためか、インバウンドの比率が低い。島根県の『玉造温泉』は、奈良時代に開湯した日本最古の温泉のひとつで、『出雲国風土記』に〝美肌の湯〟として記されています」(鳥海氏)

 鳥取県の『三朝温泉』は、世界屈指の“ラドン泉”として知られる名湯だ。

「ラドンを含む湯に浸かると疲労回復が期待できます。ここは、浴槽に直接湯が噴き出す宿も多く、新鮮な湯を楽しめます。“三”たび“朝”を迎えると元気になるという、その名の通りの効能です」(郡司氏) 

 熊が生息していないとし、先の環境省の統計調査で対象外になっているのが九州・沖縄の8県だ。

「九州は立地的にアジアの旅行客に人気。特に鹿児島はゴルフリゾートとして韓国人に大人気で指宿温泉は、混雑しています」(鳥海氏)

 そんな中でおすすめなのが屋久島の秘湯『平内海中温泉』だという。

「屋久島は外国人からも人気がありますが、その多くが山登り目的。温泉を楽しむという点ではそこまで影響がない。『サマナホテル屋久島』も絶景です」(前同)

 沖縄にも名湯がある。

「沖縄県の『ユインチホテル南城』には、県内では珍しい天然温泉を使用した、海を一望できる絶景風呂があります。那覇空港近くにも有名な温泉ホテルがありますが、そちらはすでに見つかってしまっていて、客でごった返し状態」(同)