■『無添蔵』はネタも大きい!
まずは“寿司といえば”の定番商品、マグロを注文することにした。
もっともお手頃価格である『大切り 大ばちまぐろ 1貫』(税込=150円・以下同)を頼んでみるが、『くら寿司』の3倍近いお値段で少し身構えてしまう。
しかし、実食してみるとその理由は明白。大きくカットされたマグロは縦に飾り包丁が施されており、解凍直後のような独特な臭みもない。シャリも米が立って甘みがあり、まさに“とろける”食感だった。
さらに、おすすめメニューでもある本マグロにも手を伸ばしてみる。
『生本まぐろ三種盛り』(980円)は、大トロ・中トロ・上赤身が“生”の名の通り一度も冷凍されておらず、ネタのツヤが印象的。加えて飾り包丁と刷毛塗りの出汁醤油と工夫が凝らされていた。
また、顧客が楽しめる食体験へのこだわりも感じられた。
『生本まぐろ中落ちセット』(1480円)では、実際に生わさびをすりおろしたり、中落ちを骨から削ぐ工程を体験できる。自分で手巻き寿司のようにして、アトラクションのような面白さがあった。
サイドメニューもクオリティは高い。店内で調理されて味のよくしみ込んだ『自家製 鶏唐揚げ』(570円)や、直前に表面を焦がしてパリパリにしたスイーツ『アイスブリュレ』(460円)は専門店さながらのおいしさだった。
確かに、リーズナブルさが特徴の従来の『くら寿司』と比較すると価格は高め。とはいえ、店内の雰囲気やネタの質を考えれば、コストパフォーマンスは最高だといえる。