横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。

 前回、青森県にキリストのお墓があるという話をしましたが、その中で軽く触れたのが、『竹内文書』。

 キリストが実は日本に来ていた。そんな内容が記されている書物だと紹介したので、不思議に思った人も少なくないでしょう。

 というのも日本には、地方の豪族などが独自に書き残した、古史古伝と呼ばれる書物が存在します。国が公認した記紀(古事記と日本書紀)とは内容が異なるため、公式には認められていない歴史の書です。

 竹内文書も、そんな古史古伝の一つ。せっかくなので今回は、この竹内文書を紐解いてみましょう。

 竹内文書は、茨城県北茨城市磯原町の竹内家に伝わる古文書群の総称です。地球の創成や人類の誕生にまでさかのぼる壮大な歴史が記されており、それらはすべて“神代文字”で書かれていたといわれています。

 神代文字とは、中国から漢字が伝わるよりも前に使われていたという日本独自の文字のこと。何種類かあり、竹内文書の他にも神代文字で書かれたとされる資料が、いくつか残っています。ただ、神代文字は後世の創作ではないかという見方もあり、古史古伝と同じく意見が分かれています。