■人類の祖、“五色人”

 そこに記されている内容は大まかに言うとーー。

 神々が宇宙を創り出し、やがて地球が形作られ、陸地や海、さまざまな生物が誕生。人類の祖と言われる“五色人(ごしきじん)”も現れた。

 その後、神々は地球へと降り立ち、日本の天皇(スメラミコト)の祖先とされる神が、月神の娘と結婚して多くの子どもを授かった。

 その子供たちが世界各地へ渡り、中国やヨーロッパなどの文明の礎になった。

 壮大な話ですが、要は、日本こそが人類発祥の地だと、竹内文書は主張しているんです。

 さらに、かつての日本には、超古代文明が存在。“天空浮船”という飛行船や、永久に錆びない金属“ヒヒイロカネ”などの高度な技術を有していたが、たび重なる天変地異によって、その文明は滅びてしまったーーとも書かれています。

 キリストをはじめ、世界の聖人たちが日本を訪れたのは、かつての日本の栄光を知っていたから。そうした世界観が竹内文書には描かれています。

 こうした驚くべき内容や、記紀における“天孫降臨”よりも前の出来事を描いている点から、現在では、竹内文書を偽書とする見方が強まっています。