YouTubeやSNSで目にされる「日本の◯◯に世界が感動」といった“日本はスゴイ”と自慢する動画や、中国などの隣国を過度にバッシングするようなコンテンツ。ネット上で見かけるこれらの投稿がもし、組織的に投稿されているとしたら……。そんな可能性が大きな話題となり、物議を醸している。

 発端となったのは、ITの仕事取引仲介を行うサービス『クラウドワークス』で、11月26日に掲載された求人だった。

 募集ページは《日本称賛系、技術系、中国批判系など海外の反応YouTube動画の【素材&Vrew編集】のお仕事【1本2,000円~4,000円】》と題され、仕事の詳細欄には《日本の技術、日本文化、日本語などの素晴らしさ、中国人の迷惑行為やマナー違反、感動のストーリーなどを動画にしています》などと記されている。

 どうやら、『中国世界最大の経済崩壊へ! 経済・災害・政治の三重苦地獄に』『「もはや天才…!」日本のクリスマスケーキに世界がザワつく理由』といった類の、YouTubeやTikTokでユーザーに流れてくる日本称賛・中国批判動画を作成する仕事のようだ。

 この求人はXユーザーの間で、

《これは明確な差別、ヘイトです》
《このような外国人ヘイトを助長させるような案件をこのまま放置するのはまずい》
《これらが作為的に世論形成の役割を果たしているとなれば、危ういミスリード》

 など、コンテンツがヘイトスピーチや世論の誘導にあたるのではとして物議に。ジャーナリストなどの著名人からも問題視する声が上がり、この一件は拡散されていった。

 こうした騒動を受けてか、同求人は12月3日午後時点で非公開になったほか、サイト内の求人にも変化が見られている。

 4日午後の時点において、クラウドワークス内で「日本称賛系」と検索すると600件を超える案件がヒットしていたが、5日昼には《指定した条件に該当する仕事情報がみつかりませんでした》と表示されており、すべて削除された形跡が見て取れた。