■クラウドワークス側はガイドライン違反だと断言、長期に渡って掲載された原因は

 当サイトは、求人掲載を行なったクラウドワークスに直接問い合わせをした。

 まずは今回の件がSNSを中心に話題になっていることについて聞くと、担当者は「把握しております」と回答。

 Xで物議を醸した募集ページが非公開になったことについては、《弊社で掲載中断(非公開)とする措置を講じました。該当の案件については、ユーザーから違反報告をいただき、調査したところ仕事依頼ガイドラインに違反する可能性が高いと判断し、非公開化の措置を講じました》と答えた。

 また、今回を含め、D社がこれまでに募集していた案件に関しても、《仕事依頼ガイドライン違反に該当いたします》と断言し、理由を以下のように説明している。

《具体的には、ガイドラインの禁止事項のうち、以下に該当いたします。

・特定の組織・人物・商品・風習・文化・政治・国などのあらゆる対象に対し、事実誤認や印象操作などがおこなわれる恐れがあると判断できる依頼。

・民族・人種・性別・年齢などによる不当・違法な差別表現が含まれる依頼。

・特定の団体に所属、地域に居住する人に対する差別(日本国憲法第十四条一に規定される範囲を含む)につながる依頼、または誹謗中傷につながる依頼。

・プライバシー・名誉・信用を侵害し、損害を与える依頼》

 では、このような複数のガイドラインに違反する案件がなぜ長期に渡って“野放し”になっていたのだろうか? これについては、

《弊社の案件登録から公開までのプロセスは、AIシステムによる自動検知と専門スタッフによる目視確認を組み合わせた多層的な監視体制を敷いております。ご指摘の案件が審査を通過した理由については、上記プロセスのうち、AIシステムが当該案件を直ちに規約で禁止する事項に結びつくものと判断しきれず、結果として公開と判断されたためです》と、AIの影響だとしている。

 今後の対応については、《防止策といたしまして、摘発した違反事例や問題視された表現のデータをAIに学習させ、違反案件の検知精度向上を図ってまいります。また、利用規約やガイドラインを制定の背景とともに周知するとともに、動画配信プラットフォーム等の外部サービスとの連携による啓発や、不適切な行為を減らすための協働を目指してまいりたいと考えております》と再発防止策を明かした。

 ネットリテラシーがますます問われる時代となったと言えそうだ……。