2025年夏ドラマの話題作、木村文乃(38)主演、Snow Manラウール(22)共演の木曜劇場『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)。社会現象を巻き起こした『昼顔』(同局系)を手がけた脚本・井上由美子氏と演出・西谷弘氏が再びタッグを組んだ本作は、話が進むにつれ見事な成長を見せたラウールの演技に注目が集まった。

 本作は、私立ピエタス女学院高等学校葵組の担任で、堅い家庭で育ったまじめすぎる現国教師・小川愛実(木村)と、歌舞伎町の「THE JOKER」に勤務する、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲル(ラウール)という、すれ違うことすらないはずの2人が出会い、大きな隔たりを越えて惹かれ合う、禁断なのに純愛な“愛”の物語。

 演技経験が少ないラウールが心配されたが、ホストクラブでの振る舞いは生き生きと演じていた。だが、毒親・奈央(りょう/52)や異父弟・勇樹と対峙するシーンや、ビルの屋上で愛実から初めて字を習うシーンでは、シリアスな表現が今ひとつで、明らかに物足りなさを感じた。特に屋上のシーンは、思い切り木村が引っ張っていた印象だ。

 しかし、物語が進むにつれ、ラウールは徐々に成長していった。特に第6話の三浦海岸のデートでは、俳優としてのポテンシャルを発揮。後輩と住んでいる自室での場面では、高身長が窮屈に見えたラウールが、砂浜などの野外ロケでは、全身で気持ちを表現していて、身体能力を見事に活かしていたのだ。今後、俳優として活動していくうえでの可能性を感じさせる回だった。