武田鉄矢が、心を動かされた一冊を取り上げ、“武田流解釈”をふんだんに交えながら書籍から得た知見や感動を語り下ろす。まるで魚を三枚におろすように、本質を丁寧にさばいていく。
今回、取り上げさせていただく本は『日本語再定義』(マライ・メントライン著=小学館)という“日本語”について書かれた本。著者のマライ・メントラインさんは日本在住のドイツ人で、日本語に興味をお持ちで、その面白さをエッセイに書いておられます。
ドイツ人の方が「再定義したい」とおっしゃるからには、我々がまったく気づかない日本語の“不思議な側面”があるに違いない。
日本人がふだん当たり前に使っている言語ですが、マライさんはドイツ人であるがゆえに、我々とは違った視点から日本語を観察することで、日本語について、さまざまな発見をされております。
例によって、今回も武田流解釈の「意訳」「超訳」をたっぷり加えて、日本語について再定義していきたいと思いますので、皆さん、最後までお付き合いのほどお願いいたします!
実は、私がマライさんのことを知ったのは別の本でした。そこに書かれていた内容ですごく面白いと思ったのが、彼女の日本語に対する次の説でした。
「日本人ってものすごく不思議な民族で、言葉があるのに使わない言葉がある」