■フジテレビにとって『ドッキリGP』は“終わらせたくない番組”のワケ
また、かつての『記憶忍者隊 マッサマン』の罰ゲームである“逆バンジー”は、総制作費600万円という、クレーン4台を使っての大規模なものが繰り広げられたこともあるなど予算のかかる内容だったことから、
《マッサマン、予算無いから回転台にしたのに、これで事故起きるともう企画自体出来なくなりそう》
《回転のやつより逆バンジーの方がよかったけど明らかに予算が理由だろうからね》
と、現在のフジテレビの懐事情を察する声も。
「2025年フジテレビでは、年初から勃発した元タレントの中居正広氏(53)と元フジの女性アナウンサー間に起きたトラブルに端を発した“中居氏・フジテレビ問題”により、多数のCMスポンサー企業が撤退。それにより、甚大な経済的損失となってしまいました。これにより、番組の制作費も大幅カットになりますね」(前出のワイドショー関係者)
5月にフジ・メディア・ホールディングスが発表したフジテレビの25年3月期決算の純損益は328億円の赤字となった。
「11月27日、フジテレビはCMの再開状況を公表。11月単月で取引社数は前年比約86%まで回復したといいますが、あくまでも取引先企業の数で、売り上げが回復したわけではないといいますね。
そして、番組制作費の削減など、これまで以上の緊縮政策が始まるのは来春から。来春以降の番組制作費は大幅に見直し。報道、情報、バラエティ、ドラマのすべての部門で制作費が大幅にカットされることになるといい、バラエティに至っては、全番組で制作費35%カットといった話もあるほど。ゴールデンの番組でも、かつての深夜番組程度の制作費になるともささやかれていますね。
『ドッキリGP』でも、回転台が危なくてできなくなるとなっても、高い制作費がかかる逆バンジーには戻せないのではないでしょうか」(前同)
負傷者を出した回転台や落とし穴を利用した企画は困難。そして、逆バンジーは予算の都合で難しい――八方塞がり感のある『ドッキリGP』だが、制作会社関係者は「フジテレビとしては『ドッキリGP』は終わらせたくないでしょうね」と言い、こう続ける。
「『ドッキリGP』は、世帯視聴率はそれほど高くありませんが、個人視聴率、そしてテレビ界で重視されているコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)が取れる番組なんです。コア視聴率が高い番組は高単価のCMが入り、局として大きなCM収入が得られますからね」
12月13日放送の『ドッキリGP』の視聴率は、世帯4.6%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、個人3.7%、コア3.6%。
同時間帯には、今年で9回目となる賞レース番組『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』(日本テレビ系)が放送されていたが、こちらはコア3.4%だった。
「お笑いの賞レース番組は高視聴率を取るものですが、『ドッキリGP』のコア視聴率は『THE W 』よりも高かったと。フジテレビは一連の騒動前から低視聴率に悩まされていますが、そんななかで『ドッキリGP』は常に高いコア視聴率を獲得していますね。
だからこそ、フジテレビとしては今後も『ドッキリGP』に頑張ってほしいはずですが、予算的にも安全面でも、そして昨今厳しいコンプラ的にも、どんどん攻めた企画が難しくなってきているわけで……まさに今、正念場を迎えていると言えそうです」(同)
2024年夏にはイベント『お台場冒険王』で3.8メートルの像が立つなど、抜群の人気を誇る向井扮するマッサマンと『ドッキリGP』。高いコア視聴率が示すように、毎週の放送を楽しみにしている子どもたちも多くいるはずだが……番組の今後に注目が集まる。