■相撲協会の人事は年功序列じゃダメ

 いち早く芝田山親方が、勇退の意向を示したと報じられたりもしたが、それにより、63歳以上の理事らは不出馬で足並みがそろった。

 春日野親方は、一時「70歳定年制」を訴えていたこともあったけれど、ついに諦めたようで(笑)。

 それでも、希望すれば定年を延長して、70歳まで協会に残れるんだから、ヘタなケンカをしないほうがいいと踏んだんだろうね。

 オレは前から、協会の人事は、「年功序列」じゃダメだと言ってきた。ましてや、「70歳定年制」なんて、仕事もしないじいさんに給料を払うようなシステムを作ったら、公益財団から外されちゃうよ。

 定年間近とか、定年を延長した親方が、何か新しいアイディアを考えられると思う? 保身に走るのに必死なはずだよ。

 だから、もっと若い藤島親方(53=元大関・武双山)とか、オレにとっては「天敵」だけど(笑)、高田川親方(58=元関脇・安芸乃島)とか、現役時代からガチンコで相撲を取ってきた親方らに大きな仕事をさせたほうが、角界の浄化という意味でもいいと思っている。

 本場所のチケットは完売だし、「大相撲ブーム」で多少は潤っているのかもしれないけれど、こんなときだからこそ、協会は足元を見つめ直すべきだよね。

貴闘力忠茂(たかとうりき・ただしげ)
1967年9月28日、兵庫県生まれ。二子山部屋(入門時は藤島部屋)入門後、83年に初土俵。最高位は東関脇。2000年に幕尻(前頭14枚目)で初優勝する。02年に引退し、大鵬部屋の部屋付き親方となるが10年に野球賭博関与のため日本相撲協会を解雇される。現在は焼肉店『ドラゴ』を経営。