NHKは12月17日に定例会見を開催。同会見では、韓国発の多国籍4人組ガールズグループ・aespa(エスパ)が、大晦日の『第76回NHK紅白歌合戦』出場に変更がないと明らかにされたが、これに疑問を呈する声、批判する声が多く寄せられている――。
aespaの『紅白』出場を巡っては、グループの中国人メンバー・ニンニン(23)が2022年に「かわいいランプを買ったよ~どう?(原文は英語)」と、原爆のキノコ雲を連想させる形のランプの写真をファン向けアプリに投稿していたことから、SNSを中心に物議を醸すことに。
12月2日に開かれた参議院の総務委員会でもこの件が取り上げられ、NHKの山名啓雄専務理事は「所属事務所に、当該メンバーに原爆被害を軽視、揶揄するような意図はなかったということなどを確認してございます」と回答。出場は問題ないという認識を示した。
そして今回の定例会見でも、あらためて山名氏は「aespaさんのご出場予定に変更はございません」と明言。「ご指摘の件は承知しておりますけれども、所属事務所に確認を行ない、(メンバーに)原爆被害を軽視する意図がなかったことを確認しております。(同番組の選考基準である)今年の活躍、世論の支持、番組の企画制作にふさわしいかなどを総合的に判断し、(同グループの)出場予定に変更はない」とした。
しかし、大手オンライン署名サイト「Chenge.org」では、aespaの『紅白』出場停止を求める署名が12月18日時点で約14万筆もが集まっている状況にあり、NHKの対応には現在も批判が多く寄せられている。
「“揶揄する意図はなかった”ということですが、原爆は大変にセンシティブな話題。そして、今回の『紅白』の総合司会に広島出身の綾瀬はるかさん(40)と有吉弘行さん(51)、出場アーティストには長崎出身の福山雅治さん(56)――原爆が投下された県の出身者が起用されていることも指摘されています」(女性誌編集者)
特に広島市出身の綾瀬は、大伯母(祖母の姉)を原爆で亡くしていることもあり、これまで何度も戦争や原爆をテーマにした番組に出演し、体験者たちに聞き取りを重ねる活動を行なっていることで知られる。『news23』(TBS系)では、2010年からほぼ毎年8月に特別企画『綾瀬はるか「戦争」を聞く』が組まれ、今夏も放送された。
そして長崎出身の福山は、今回の『紅白』では長崎市にある山王神社の「被爆クスノキ」を題材とした楽曲『クスノキ―500年の風に吹かれて―』(6月30日配信)を歌唱する。同曲は福山が2014年に発表した『クスノキ』を、被爆80年の節目にあたる2025年にアレンジ・編曲したもの。題材の「被爆クスノキ」とは、爆心地から800メートルの地点で被爆し一時は枯死寸前となりながらも、驚異の生命力で今もなおたくましく生き続けている、長崎市指定天然記念物である。