■勝負を司る神様 八幡様が私の守護神
加えて、私が大切にしているのが“産土神”です。自分が生まれた土地に宿る神様のことで、興味深いことに、親や兄弟であっても、それぞれ産土神が異なるそうです。まさに自分だけの守護神で、生涯にわたって見守ってくださるので大切にしなくてはいけません。その産土神様にお参りできる神社(産土神社)も人によって異なるとのことです。
私が、このことを知ったのは、産土神社鑑定士の真壁辰郎さんと出会ったのがきっかけです。江東区に部屋を構えていたときに見学にいらしたんですが、部屋に入るなり、ひと目で「神棚の位置を変えたほうがよい」とアドバイスをくださったので、すぐに、そうした世界に生きている方だなと、分かりました。
それから大相撲の地方巡業に行くたびに、真壁さんに、その土地でお参りすべき神社を調べてもらったんですが、
「親方、不思議ですね。また、八幡様が出てきました」
と、私の場合、どの地でも八幡神が関係しているようなんです。やはり私は勝負の神様と縁深いのだなと実感したものです。
産土の神様を見つけるには、気になる神社に足を運んで、自分で何かを感じ取ること、それが最初だそうです。神社への参拝が増えるこの機会に、探してみるのもいいかもしれません。
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。