■楽器正宗 本醸造中取り(大木代吉本店/福島/3,000円)
「変わった名前ですが、“好みの曲を聴くように暮らしに潤いを与える酒”というコンセプト。日本酒は醪 (もろみ) を搾って造られるのですが、採取したタイミングによって名称も違うんですね。搾り始めは“あらばしり”、次が“中取り”、最後が“責め”。
楽器政宗の中取りは雑味がなくて、バランスがいい。シュワシュワしたガス感も楽しめます。“親しみやすいけど、仕事はバッチリできる上司”ってところですかね」
■帝松 /無濾過純米原酒 THE SAITAMA(松岡醸造/埼玉/3,080円)
「読み方は“みかどまつ”。税込み価格だと3000円を超す場合もありますが、そこは大目に見てください(笑)。
特徴はろ過していない点で、それゆえに日本酒本来の味がダイレクトに伝わってくるんですよ。甘すぎず、辛すぎず、バランスも極めていい。食事との相性も申し分なくて、煮込みなど味が濃いものと一緒に飲んでも負けない味わいがあります。人物でいえば“初対面でも全部をさらけ出してくれる人”。誠実で実直なキャラがみんなから愛されるようなイメージですね」
ここまで5銘柄を紹介してもらったが、福島氏によると「“金賞”などと派手に打ち出す銘柄が目立ちますが、逆にそうした主張をしない奥ゆかしい銘柄に光るものが多いのも事実」とのこと。まずは高コスパの福島氏オススメから試してみては?
福島敏貴(ふくしま・としき)
1992年、埼玉県生まれ。高校時代にバスケ部で出会った高木貫太とストレッチーズを結成。慶應義塾大学卒ということから高学歴芸人としても注目される。2022年には「ツギクル芸人グランプリ」で優勝。趣味は酒造めぐりで、日本酒検定1級、ビール検定3級を所持している。YouTubeチャンネル『日本酒マスター福島』にて日本酒情報を絶賛更新中!