■山に囲まれた山梨&長野県だからこその人気ネタ
対照的に、国内でおよそ300店舗を展開する回転寿司チェーン店『かっぱ寿司』発祥の地である長野県の『サラダ軍艦』への強い支持は、山国ならではの歴史を物語っています。長野県の『かっぱ寿司』では、全国で人気のマグロやハマチを差し置き、サラダ軍艦が不動の人気1位ネタだそう。かつて冷蔵・冷凍技術が未発達だった時代、海から遠く離れた信州では新鮮な生の魚を手に入れるのは難しかったため、人々は塩漬けにした魚や、ちくわ、塩丸いかといった加工品を日常的に食してきました。
かっぱ寿司のサラダ軍艦の具材であるイカゲソすり身とマヨネーズの組み合わせは、そうした長野県民が慣れ親しんだ加工品の味覚に近く、今も昔も変わらぬソウルフードとなっているのです。食文化というものが、いかに地理的制約を乗り越えて独自の進化を遂げるかの好例とも言え、《長野県民だけどサラダ軍艦はガチ、あれがないと寿司食った気しないもん》といった熱い投稿もネット上では見つかります。
また、北海道や北陸地方のように、目の前に豊かな漁場が広がる地域では、やはり新鮮な地魚ネタが人気。北海道ではウニやホタテが好まれ、石川県では寒ブリが特別な存在です。日本海側は「寿司がおいしい」というイメージが強いのもこうした旬のネタが豊富だから。地元の寿司店で飛ぶように売れているのも、地元の人々がその鮮度を当たり前のように享受しているからだと言えます。