■蜷川氏から「一緒に仕事しよう」と声をかけられていた

 西島は2016年に『朝日新聞デジタル』のインタビューで、2012年に蜷川さん演出の舞台『下谷万年町物語』に出演した際の出来事を振り返っている。

 本読みの段階で「戦後間もない時期の言葉遣い」ができていないとダメ出しを受けた西島は、稽古後にセリフを当時の言葉に置き直して、徹夜で猛練習に励んだとのこと。

 その結果、翌日の立ち稽古で「やるじゃん」と称賛され、最終リハーサルの前には「キミは僕にはないものを持ってる」と、蜷川に言われたと語っている。

 また、スケジュールの都合で再共演は叶わなかったが、

「お前は音楽を辞めて俳優の世界に来い。人生の荒波に出会った時は、全力で僕が西島くんの側について守るから。だから早く一緒に仕事しよう」

 と、蜷川さんに言われていたことを、西島は2016年に蜷川さんの通夜の席で語っていた。

「そんな西島さんの役者としての最後の仕事が、2016年に村瀬さんがプロデュースしたフジテレビの“月9”ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』なんです。

 有村架純さん(30)と高良健吾さん(35)のダブル主演作で、4人の男女の想いが複雑に絡み合いながら物語が進んでいく群像ラブストーリーでした」(前出の女性誌編集者)

 村瀬プロデューサーは、西島のAAAでの活躍や2009年公開の園子温監督の映画『愛のむきだし』での西島の演技を気に入り、《ずっと仕事をしてみたいと思ってきた》と、オファーをかけていたという。

《以前から、何度か村瀬健プロデューサーからドラマのお話を頂いていたんですが中々、ソロとグループの音楽活動によってタイミングが合わず(以下略)》

 と当時、西島はコメントしていた。