1月13日に逝去が明らかになった“テレビ界の巨星”、フリーアナウンサーの久米宏さん(享年81)のエピソードは尽きないようだ――。
「久米さんが今年の元日に亡くなられたと聞いて、親父のことで、鮮明に思い出したことがあるんです」
そう語るのは、昭和を代表する大俳優・若山富三郎さん(1992年没/享年63)の息子で俳優の若山騎一郎(61)だ。
昨年7月放送の『大岡越前8』(NHK BS) 、同年12月28日放送の『水戸黄門スペシャル』(BS-TBS)など時代劇での活躍も多い騎一郎が語るのは、久米さんを象徴する番組として知られる報道番組『ニュースステーション』(テレビ朝日系/1985年~2004年)に父・富三郎さんが出演した”伝説の放送“――。
「親父が『ニュースステーション』に出演したのは、まだ番組が始まって間もない間もない時期のことでしたね」(騎一郎、以下同)
当時、そして現在も俳優、ましてや銀幕の大スター俳優が報道番組にゲストコメンテーターのような扱いで登場することはほとんどないが、『ニュースステーション』は「今までにない全く新しい形の報道番組を目指す」というコンセプトのもと始動した番組。前例のない多くの試みがあった番組のため、富三郎さんをスタジオに呼んだのもそうしたことのひとつだったのかもしれない。テレ朝に同行した騎一郎は当日の思い出を語ってくれた。
「『ニュースステーション』の生放送をモニター越しにも見ていましたが、久米さん――報道番組のキャスターの横に着物姿の若山富三郎が座っている、そんなニュース番組は誰も見たことがありませんよね。番組が始まった時点で、あまりにも衝撃的な映像で、面白かったですね(笑)」
富三郎さんを隣に、久米さんは普通に『ニュースステーション』を進行。いつものようにニュースが続々と報じられていったが――、
「地価の高騰に関するニュースが報じられたときです。都市中心部である銀座の地価がどんどん上昇している、というニュースだったんですが、VTRが終わったタイミングで、ふいに久米さんが“若山さん、こうした地価高騰をどう思われますか?”と、明らかに打ち合わせなどしてないだろう感じで、親父に質問したんです」