■杉咲花が革命を起こす?
中途半端なエンタメを作るなら、思い切り“作家性”をむき出しにした作品に振るのも、ひとつの手ということなのだろう。25年春の改変で土曜にドラマ枠を集中させる戦略に出るも、ヒットに繋がらなかったりと、ドラマの低迷が続く日本テレビだからこそ、できた挑戦かもしれない。
今後も見る人は見るし、初回でダメだった人は絶対に見ないと思われる。平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は世帯が3.8%で個人が1.9%と、『アンメット』(フジテレビ系)や『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)など、ヒット作続きの杉咲が主演するドラマにしては低調発進となった。今後も数字は落ちもしないし、上がりもしないのが予想できる。
数字的には厳しいが、とにかく杉咲花の存在感が圧倒的すぎる。たとえ黙っていても、わずかな表情の変化だけで引き付けられ、目が離せない。演出があるにせよ、成田凌(佐伯)が完全に引き立て役になっていた。視聴率や配信の数字が動くとしたら、杉咲のものすごい演技が話題になってからだろうか。
もしかしたら『冬のなんかさ、春のなんかね』で、“演技おばけ”の杉咲花が地上波ドラマに革命を起こすかもしれない。次回は、恋人とのクリスマスの過ごし方について、それぞれ違った種類の悩みが描かれるようだ。好き嫌いはあるだろうが、未視聴の人は一度は見たほうがいい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。