高齢者ドライバーによる死亡事故が、また起きてしまった。
「鹿児島市で起きた事故の裁判で、1月15日、85歳の女性に禁固3年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡されました。女性は乗用車で交差点を右折する際にブレーキとアクセルを踏み間違え、横断歩道と歩道にいた男女4人を死傷させています。女性は75歳になって以来、今回で6回目の事故です」(全国紙社会部記者)
自動車事故は、決して高齢者だけが突出しているわけではないが、死亡事故に関しては、近年増加傾向にあることは事実だ。
「警視庁によれば、2024年に起きた免許保有者10万人あたりの死亡事故件数は、75歳以上が約5.2件。同75歳未満の約2.6件の2倍です。高齢者による事故の特徴は、出会い頭や交差点での衝突が多いこと。視力や認知機能の低下が、主な事故の原因です」(前同)
そんな高齢者ドライバーの事故を減らす技術として注目を集めてきたのが、自動運転である。
「自動運転にはさまざまな考え方があります。ハンドルを離しても目的地まで走行できる状態を自動運転と指しますが、その段階から運転の主体が人から車に移ります。レベルで言えば3以上。アメリカや中国ではレベル4の車も走っていて、4からは、運転手がいなくてもいいということになっています」
教えてくれたのは、各種自動車専門誌等で多数の記事を執筆する自動車ジャーナリストの国沢光宏氏だ。国沢氏は世界で自動運転が広がりを見せる中、日本の自動運転はいまだ遅れをとっているという。
「日本は、現在レベル2です。レベル3以上の車が事故を起こした場合、海外では“車両システムが原因”として処理されます。しかし日本では、責任の対象が“人”でないと警察の手続きが成り立ちません。
また、国土交通省が準備を進めている「ITS」というシステムとの兼ね合いもあります。ITSでは信号機などにビーコンを設置し、その情報を車に送って信号の識別を補助します。もし車が独自の自動運転システムだけで信号を認識できてしまうと、ITSそのものが不要になってしまうんです」(前同)
制度をめぐっては、過去にもこんな例があった。
「国交省は、自動ブレーキの導入にも慎重で、国内メーカーは10年も待たされてきました。なのに、海外メーカーが日本で実用化したいと動き出した途端、許可が下りたんです」(同)