■完全自動ではないが “事故を起こさない車”の実用化は近い

 しかし、技術大国の日本が、このまま遅れを取り続けるわけがなかった。

「海外ではレベル4の車も走っているとはいえ、市販車では高度なレベル2が主流です。目的地を入力すればブレーキもハンドルも操作してくれて、道も選んでくれるというのが高度なレベル2です。

 ここまでいけば、高齢者の事故はほぼなくなります。実は日本のメーカーも、このレベルの車を中国で販売しています。日本の狭い道路でもシステム上対応できますし、責任の対象が人なので、実用化に向けて法律上の問題もありません」(同)

 そしてなんと、そんな次世代の車の販売が日本で目前に迫っていたのだ。

「日産はAIを採用した運転支援技術『次世代プロパイロット』搭載の市販車を2027年に販売開始予定です。ドライバー監視が条件にはなりますが、車外からキー操作で駐車場の車を動かしたり、高速道路だけではなく市街地でもハンドル操作なしで運転したりすることができるようになります」(自動車専門誌ライター)

 これが実現するとなれば、当然、競合他社も黙っていないだろう。

「ホンダも日産と同時期あたりを目指して自動運転のシステムを開発していますし、スバルも2028年に出すと言っています。完全無人化の自動運転はまだまだ難しいですが、事故を起こさない車ということであれば、2030年頃にはできるだろうと予想します」(前出の国沢氏)

 自動運転技術の進化がドライバーの操作ミスによる事故を減らす日が、すぐそこに迫っている。少子高齢化が急速に進む日本だけに早期実現に期待したい。

国沢光宏 
自動車ジャーナリスト(自動車評論家)
東京中野生まれ。ベストカー編集部員を経てフリーに。得意分野は新車の評価の他、自動車企業の分析、新技術の紹介など。自動車雑誌への寄稿をメインに、インターネットメディア、ラジオやTVのコメンテーターも。業界の話題を素直に紹介する手作りの個人Webサイトはいろんな意味で人気(アンチの数も多い)。大型免許とけん引免許、1級小型船舶免許所有。2005年アジアパシフィックラリー選手権シリーズに参戦。ラリージャパン(WRC)の参戦経験も持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。