相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。
前回は、大相撲木瀬部屋の不祥事について、サワリの部分を書いた。<前回の記事はこちらから>
所属力士の暴行事件が起きたにもかかわらず、その事実を師匠である木瀬親方(元前頭・肥後ノ海)が、相撲協会に報告しなかったのだ。
力士Bに複数回暴力を振るっていた力士Aは、九州場所を休場して、そのまま引退。これを受けて、木瀬親方には、監督義務違反と協会への報告義務違反で2階級降格という厳罰が下った。
ちなみに、木瀬親方は2010年に、暴力団へ観戦チケットを横流ししていたことが判明して、部屋が閉鎖になった「前科」がある。
そのときは、出羽海一門の長でもある北の湖理事長の恩情で、力士たちは北の湖部屋預かりとなり、2年後に部屋再興にこぎつけた。
本題は、ここからだ。初場所後には、2年に1度の理事選が行われる。出羽海一門の理事だった春日野親方(元関脇・栃乃和歌)と境川親方(元小結・両国)が(定年の関係で)勇退するため、次期理事候補として、藤島親方(元大関・武双山)と木瀬親方の名前が挙がっていたのだ。
年功序列の考えでいけば、56歳の木瀬親方は適任とも言える。部屋には2人の部屋付き親方がいるし、将来的には、井筒親方(元関脇・逆鉾)の長女と結婚した弟子の志摩ノ海(現幕下)の票も期待できる。
それなりに根回しをしていたようなのだが、木瀬親方の存在が面白くない何者かが、「部屋内で起こった問題(木瀬親方談)」をリークしたとしか考えられない。