■迫力の戦闘スーツはフィレンツェ職人製
板垣:あのときの貴乃花さんの表情は険しかったわァ。どのニュース映像を見ても、怖え、怖え(笑)!
貴乃花:戦国時代だったら、あのときの私は、100人斬りをしてますよ。
板垣:本当に斬るくらいの気迫がありましたよ。スーツをビシッと着て、首にギャングっぽくストールを巻いて。
貴乃花:あれ、実は首のむち打ちがひどくて、温めるために巻いていたんです。相撲界って太った人が多いので、どこに行っても冷房がガンガンで。
理事会でも座る場所の真上にクーラーがあって、16度とかの風が当たるんです。当時、私は100キロぐらいで、首がずっと寒かったんですよ。
板垣:そうでしたか。てっきり戦うための装束なのかと。
貴乃花:いえいえ。私は私服にこだわりがありませんから、当時も今も、玄関にあるものをパッと取って首に巻いています。
板垣:でも、カッコイイのよ。明らかにマフィアスタイル。ガチでやるぞっていう意味と、俺は楽しんでいました。
貴乃花:確かに、あの頃、スーツはイタリアのフィレンツェの職人さんに作ってもらっていたんですよ。腕が長いので、既製品が全然、合わなくて。
私が引退した頃に出会った方で、彼は4歳から針を握っていたといいます。本当の職人って、そういう人なんですよね。
――まだまだ続く真剣対談。次回は“力士最強説”を語る!
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。
板垣恵介(いたがき・けいすけ)
1957年4月4日、北海道生まれ。20歳で陸上自衛隊に入隊。習志野第1空挺団に約5年間所属し、アマチュアボクシングで国体にも出場した。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で91年より連載中の人気格闘漫画『刃牙』シリーズは累計発行部数1億部を突破。現在、シリーズ第6部となる『刃牙らへん』を連載中。