■致命的ヒットを出さない

 なんだかんだ、絶妙の配置というか「5列目ぐらいにいる人が生き残る」のかもしれないね。1度でもトップに立つと風当たりが強いから、どんどん落車していく。この芸能界生き残るには、ライムスター宇多ちゃんが言うところの「致命的ヒットを出さない」という説も頷ける。

 後方まくり。そのまくりでもずっと、その位置にいるっていうのがいいんだ。

 実は、その「5列目の位置」的なスタンスで活躍していたテレビタレントたちも、この40年で、どんどん入れ替わってるんだよ。

 ミスターちんとか、やるせなすとかさ。いつの間にかスーッとレギュラーがなくなって、静かにいなくなってるじゃん、怖いことに。

 芸人を始めた頃、新宿に爺ちゃんの土地があったんだ。俺は長男だから、どこかで「売れなくても、なんとかなる」と思っててさ。でも、その土地はなくなった。その“保険”がなくなってからが本番だったんだろうね。

 よく週刊誌で、昭和や平成初期のムチャクチャだったテレビ番組の特集記事が載ってたりするけど、Z世代の人たちは、たけし軍団なんか知らないでしょ?

 40年もやってたらさ、本当に老害になってきたわけだよ。俺より上の世代はベビーブームだから分母がデカいけど、俺らの時代も、ある程度の人数はいる。

 昭和後期と平成初期を源流とする怪しさ、そして令和の新しさも取り入れつつ、煮しめた味を提供してきたことに共感される部分があるのかもしれない。

 だって「玉袋筋太郎」だよ。令和に限らず今後、こんな芸名のタレントは2度と出てこないだろうね。

 一緒に年老いて行こう。いい老Guyになろうぜ!

玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう)
1967年生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入りし、翌年、水道橋博士と浅草キッドを結成。一般社団法人全日本スナック連盟会長。