■今後はサービス業へと移行する

 現にコンビニ各社に対して来店客が抱いているイメージはかつての消費者が抱いていたものとは大きく変化しているという。前出の岩崎氏が話す。

「(コンビニは)コスパが良くないと思っている人が圧倒的に多いと思います。セブンが過去に行った調査結果でもはっきり出ていますが、20代~30代の人たちがコンビニを見て何を思うかというと“高い”。代わりに、小型スーパーやディスカウントストアに行く消費者も多いそうです。今までのコンビニの販売戦略が若い消費者を中心に通じにくくなっているのです」

 若者の間で進むコンビニ離れ。実際にセブンイレブンが公表しているデータによれば24年度の20代以下の来店客数は全体の26%、04年度は20代以下の来店客数が全体の来店客数の42%を埋めていたことを思えば、コンビニの若者客は20年でおよそ半数近くも減ったことになる。

「今まで、コンビニの酒類の主な購入者層は50代~60代の人でしたが、昨今の高級な酒類は20代~30代の人がメインで買っているそうです。価格は高いが消費者が納得して手に取れる付加価値のある商品であれば、若い世代の集客にも繋がるということです。

コンビニは若い世代の集客に苦しんでいますから、この層を高級酒の販売で獲得できるという手応えを各社が掴んでいるのでしょう。高品質・高単価の商品を少しずつ増やしていく流れは、今後も続くと思います」(前同)

 また、岩崎氏はコンビニ各社が20代以下の顧客を獲得すべく“サービス産業”への移行を今後は進めるのではないかと予想する。

「今、都心のローソンではクレーンゲームを導入し始めているんですよ。こんなの今まで誰も考えたことなかったけど、クレーンゲームがあると若者客が来店したりするんです」

 ファミリーマートも今年1月から店舗内で提供する印刷サービス『ファミマプリント』で、専用サイトに登録した個人クリエイターが描いたイラストをコンビニ来店客へと販売するサービスをスタートすると発表している。

「コンビニはモノの販売がメインで、“サービス”で若い客にリーチすることはほとんでしてきませんでした。今後はサービスで若い客層を捕まえていく可能性は高いですね」(前同)

 少子高齢化や物価上昇で社会情勢が変化する中、コンビニ業界の生存競争も激しさを増している。

岩崎剛幸(いわさき・たけゆき)
流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。「情がトップコンサルタントへの近道」と語る。著書多数。