■ガムを噛むことが花粉症に効くかもしれないワケ
この“ガム療法”。これについて、大阪市の『上本町わたなべクリニック』院長・渡邊章範氏は、「ガムを噛むことと花粉症とに関係があるかは、まだ、はっきり分からない」と前置きしながらも、こう続ける。
「咀嚼して唾液を出すことは喉の粘膜を潤すというメリットもあります。冬は体が水分不足に陥り、喉や鼻の粘膜の乾燥からアレルギー症状も出やすくなりますので、ふだんから食事はしっかり噛んで唾液を出すことを意識したり、水分をこまめに摂ると良いですね」
実は“潤い”こそが、花粉症対策にはかなり重要なカギだという。
「肌が乾燥すると花粉症によるかゆみが悪化するので、洗顔後は保湿液を使う。鼻の中に付着した花粉は、自作の生理食塩水で物理的に洗い流す“鼻うがい”を施すなどの習慣が大切です」(前出の『上本町わたなべクリニック』渡邊院長)
そして、花粉症が出にくくなる体づくりには、日々の食生活の見直しも必要。
そこでもう一つ、興味深い研究成果がある。
「小麦ブランやもち麦などの穀物由来の発酵性食物繊維を腸内に取り込むことで、腸内細菌が“酪酸”という物質を作り出し、“制御性T細胞”を増やすことが、理化学研究所の研究成果により明らかになっています」(前出の生活情報誌記者)
昨年、ノーベル生理学・医学賞を受賞して話題となった「制御性T細胞」。これは免疫反応が過剰にならないための“ブレーキ役”を果たしている細胞なのだが、「これが花粉のアレルギー反応の暴走を抑える働きがあるというんです」(前同)
これに対して、前出の渡邊院長は言う。
「制御性T細胞と花粉症の関係性は分からないところがまだ多いんですが、腸内環境の改善が花粉症対策につながるのは事実です。胃腸の働きが悪く、水分や栄養が吸収されないと、体が不調をきたしてアレルギー症状が出やすくなります」
腸内環境を改善するためには、発酵食品と食物繊維の摂取が必要なのだそう。
「ただ、1つの食品ばかり食べると栄養バランスが崩れて逆効果となりますから、これらを含む食材を日替わりで満遍なく食べること。結果的に花粉症対策を図ることはできます」(前同)
それに最適な食材が、冒頭でも触れた納豆だ。「発酵食品かつ食物繊維豊富な納豆こそ腸活にピッタリ。善玉菌の一種である納豆菌には腸内環境を整える効果があり、アレルギー対策としては欠かせません」(前出の生活情報誌記者)
【後編】 2026年の花粉飛散量は「例年の2.5倍」そんなときこそ試したい管理栄養士が教える「花粉症を退治する食事法」では、納豆を食べるとなぜ、花粉症に効果的なのかを管理栄養士の望月理恵子氏が解説するのとともに、納豆以外で花粉症に効果的な発酵食品を紹介する。