大人気のアニメ『チェンソーマン』や『呪術廻戦』を手がける制作スタジオ・MAPPAがNetflixと戦略的パートナーシップを締結(1月21日発表)。今やドラマもバラエティも、制作・出演陣からは「地上波より配信系のほうがお金があって、自由度が高い」と声が出る時代。Netflixも続々とオリジナルコンテンツを投下し、ヒット作を出し続けているところだが、アニメ界でも覇権を握っていくのか――。
「MAPPAが設立されたのは2011年。テレビ東京系列で22年10月から12月まで放送された『チェンソーマン』のアニメ化にあたり制作費を100%出資し、IP(知的財産)開発やグッズ展開にも積極的に関与してきました。
『チェンソーマン』の配信を行なったNetflixによれば、今や世界190以上の国・地域に広がる会員の半数以上である約3億人がアニメを楽しんでおり、過去5年間でアニメの視聴が3倍になるなど、日本発のアニメは世界規模で視聴されているそう。大手制作スタジオとNetflixとの協業は今後、大きな話題を呼びそうです」(制作会社関係者)
今回の協業体制により、両社はアニメの制作、配信に限らずグッズ展開までを含め世界市場を見据えた事業を推進するとのこと。すでに複数の新規アニメプロジェクトが実現へと向けて動き出しているという。
「アニメ産業は市場規模が拡大を続ける一方、制作会社は長らく“儲からない”立場でした。実際、25年11月、帝国データバンクが発表した『「アニメ制作業界」の倒産・休廃業解散動向(2025年1~9月)』によれば、国内のアニメ制作会社約290社のうち、25年1~9月に計8件が倒産あるいは休廃業・解散。
これは年間で過去最多となる16社の倒産などが確認された18年と同水準となる数字で、通年では3年連続で増加する見込みです。また同社の調査によれば、元請制作の約6割が24年度の業績は悪化したとのこと。制作コストの高騰や人件費の増加を価格に転嫁できず、IP収入など安定した収益基盤を持たない中小制作ほど経営が苦しい状況です」(前同)
そうしたなか、MAPPAの大塚学代表取締役社長はNetflixと戦略的パートナーシップを結ぶにあたり、「これからの日本のアニメーションスタジオは、グローバルな視点で視聴者のニーズを捉え、企画開発の段階から最終的な視聴者へのリーチ、さらには関連するビジネス展開に至るまで、主体的に責任を持ってリードしていくべき」とコメント。クリエイティブとビジネスの両面における“自立”を目指すと宣言したのだ。
一方でアニメの放送枠の拡大や、アニメの放送時間を深夜から前倒しにするなどして、アニメファンの獲得に躍起になっている地上波テレビは、Netflix及び、MAPPAの動きをどう見ているのか。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏に話を聞いた。