■「美文字教室」人気は「手書きコンプレックス」の裏返し
ネット上でも、実際に文字を書く機会が激減した若者世代から「スマホの変換がないと、脳が完全にフリーズして怖い」「バイトの履歴書を久しぶりに手書きしたら、一文字も間違えずに書くのが難しすぎて泣いた」「漢字を忘れるスピードが速すぎて、自分の言語能力が退化している気がする」といった切実な声も……。
「読めるけど書けない」というもどかしさは、デジタル世代共通の悩みとなりつつあります。
こうした「手書きコンプレックス」の裏返しとして、今、ブームとなっているのが「美文字」教室です。デジタル社会だからこそ、祝儀袋や履歴書で際立つ「きれいな字」の価値が再評価されており、通信教育の受講者やペン字練習帳の売り上げは堅調に推移。ユーキャンサイト「2025年人気講座年間ランキング」でも実用ボールペン字が1位となっています。
「この美文字ブームは、『マインドフルネス』としての側面も併せ持っています。絶え間なく通知が届くスマホを置き、墨の香りの中で筆を動かす時間は、デジタルデトックスにもなるはず。
一画ずつ丁寧に書くことで自分の気持ちが整っていく。そんな風に、ちょっとした心のゆとりを大切にする人が増えているのかもしれませんね」(生活情報サイト編集者)
スマホがあれば困らない時代だからこそ、たまには画面を閉じて、自分の手で一文字ずつ丁寧に言葉を綴る心地よさを思い出してみたいものです。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。