■ロッテはアイス業界の後発メーカーだった

 この冬アイスで世間に絶大なインパクトを与えた商品といえば、ご存じ、『雪見だいふく』だ。アイスクリームをお餅で包んだ冬の定番商品。今でこそ通年販売になっているが、発売された1981年から2018年までの間、冬季限定の販売だった。

 この『雪見だいふく』を販売するロッテがアイス業界では後発参入のメーカーだったことは、あまり知られていない。

「実はこの『雪見だいふく』は、1981年当時、アイス業界に後発として参入したロッテが、老舗メーカーとの差別化を図るために生まれた商品なんです。夏の氷菓は単価が安く、数を売らなくてはいけない。後発企業があえて夏で勝負するのは難しいという判断だったようです」(同)

 しかし、それが奏功して『雪見だいふく』は大ヒット。ロングセラーとなり、今やロッテは、アイス業界でトップシェアを誇っている。

 こうした大手企業の参入が、冬アイスの市場を活性化させると、福留氏は言う。

「少し前にブルボンが参入しましたが、自社のお菓子を使った300円クラスの商品を出しています。アイスのスイーツ化が進んでいくことで、冬アイスの需要はまだまだ伸びていくと思います」

 さらに昨年末には、こんなニュースも。

「日清食品ホールディングスは、アイスクリームの製造販売を手がけるセリア・ロイルを子会社化すると発表しました。不調の即席麺事業に代わる新たな事業として、近年好調なアイス市場に目をつけたのでしょう」(前出の食品業界紙記者)

 冬アイスの急成長で、アイス業界に吹いたさらなる追い風とも言えるだろう。

「アイスを食べるのは夏ではなく冬が常識」なんて時代が、すぐそこに来ているのかもしれない。

アイスマン福留
年間に食べるアイスの数は1000種類以上。コンビニアイスクリーム情報サイト「コンビニアイスマニア」を運営。日本中のご当地アイスを食べ歩き、全国を制覇。2014年に一般社団法人 日本アイスマニア協会を設立し代表理事に就任。ご当地アイスが100種類以上集まるアイスクリームイベント「アイスクリーム万博(あいぱく)」を主宰。アイスクリームの業界紙でコラムを連載するほか、アイスクリームの専門家としてメディアに出演。著書:『日本懐かしアイス大全』『日本アイスクロニクル』『ご当地アイス大全』(辰巳出版)等。